英国の開発許可制度をお手本にして、同様の制度を導入したのも目新しかった。だが、英国では自治体が開発の適否にかんして広い裁量権をもち、建築行為も許可制にして乱開発をふせぐ工夫をしているが、日本では自治体の裁量が極端にせまく、建築行為を規制する権限がない。形は輸入されたが、実をともなっていなかった。そして、前に「国家高権論」としてみたように、都市計画の策定権限は形のうえでは都道府県知事や市町村に配分されたが、最終的な決定権と財源は国に主導権を握られたままだった。
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政府が、近代的な都市対策を打ち出したといっても、規制はできるだけ緩くするという不徹底なもので、都市の乱開発を助長さえすることになった。それは、新都市計画法とセットになっておこなわれた建築基準法の全面改定で明らかになる。それまでの住居地域では二十メートル、その他の地域では三十一メートルまでというように建築物に高さ規制があったのをやめて、容積率による規制に切りかえた。ところが、この容積率が、たとえばドイツの建築利用基準に比べると四〜五倍も高く、高層建築を認め、奨励する結果になっているのだ。階数の制限がないので、建築の形態が乱雑になり、高容積のビルが乱立する今日の事態はここに引き金があったといえる。