都政は、都市再生本部の仕事を先取りしていたが、初当選以後の動きを追ってみよう。石原知事は二〇〇〇年一一月に「東京構想二〇〇〇−千客万来の世界都市をめざして」という一五年計画を発表している。その中で知事はこう述べている。「私は、都知事就任以来、東京が抱える数々の問題を日々肌に感じてきました。東京の危機は日本の危機であり、たちはだかる危機をなんとしてでも克服して、力強い東京を、そして日本を再生していかなければならないとの思いを一層強めています」ここには、東京の再生を通じて日本の再生をリードしたいという知事の意欲がにじみでている。
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このA4で三二五ページにおよぶ文書で知事は、新しい東京の都市構造を、「環状メガロポリス」として打ち出した。これは、これまでの「マイタウン構想」(鈴木俊一知事)などが東京都だけに限って計画をたてていたのと異なり、都心からおよそ六〇キロの首都圏中央連絡道路(圏央道)に囲まれた東京都、埼玉、千葉、神奈川の各県、横浜、川崎、千葉の各市をカバーする広域を「環状メガロポリス」とし、その整備を国や関係自治体と協調して進めることをうたっている。そして逆に、東京都内では首都高速中央環状線の内側をセンター・コア・エリアと名付け、重点的に再開発をはかる地域とした。こうした目的を達成するために、(1)土地の有効・高度利用を図りながら都心居住を推進し、センター・コア・エリアを魅力的な都市空間にする、(2)都市の渋滞緩和と活力向上のため首都圏三環状道路などの公益幹線道路の整備を促進する、(3)羽田空港の再拡張を促進して利便性の高い国際空港とする、(4)二〇一五年までに首都圏の鉄道ネットワーク網を既設路線の延長や新線の建設で充実させる、などの諸点に取り組むとした。羽田問題については、海水面から一五メートルの桟橋方式にするという提案まで行なっている。