家づくりにおいて、建て主には家を建てる前に考えるべきことが三つあります。第一は「間取りや工法などの設計全般」。一般の方々は、設計というとどうしてもデザインやインテリア、設備関係に意識が集中しがちです。しかし、その家で一家がどう暮らし、どう生きていくのかがもっとも大切な問題なのですから、家族の生活スタイルや日常の居場所、動線なども十分に考慮したうえで、最適な工法を選び、設計しなければなりません。第二は「建築基準法、都市計画法、民法などの法律や条令」。
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そして、これに関連して周囲の環境や地域性の問題があります。野中の一軒家を建てるのなら何でも好きなように設計すればいいわけですが、現実にそんなことはありえません。社会のなかで生活する以上、家を建てるときにも守るべき法律はあります。敷地の制限もあるし、隣家への気配りや周囲の環境との調和も求められます。例の「耐震強度偽装問題」で広く知られるようになりましたが、建築基準法の定めは地震や台風、火事などの災害に対する最低限の備えでもあります。第三が「資金の問題」。家を建てるにはたいへんな資金が必要です。建築費が三〇〇〇万円だからといって、三〇〇〇万円の手当てだけすればいいというものではありません。そもそも建築費自体、当初の予算内で納まることのほうが珍しいくらいで、三〇〇万円や五〇〇万円オーバーするのはよくあることです。これに加えて税金だけでも、消費税がかかり、不動産取得税がかかり、登録税がかかります。毎年、固定資産税も払い続けなければなりません。さらに火災保険や地震保険にも加入する必要があります。いずれも、気楽な賃貸生活や親がかりの暮らしでは、経験したことのない問題でしょう。一般には家相をこの三点に優先させることはできません。しかしそのうえで考える要素でもあるのです。